ロシアワールドカップと放映権〜やっぱり地上波って大事〜

サッカー日本代表の話題が日々メディアで取り上げられることで、ロシアで開催されるワールドカップ(W杯)が日に日に近づいているなと感じます。

JリーグもワールドカップということでJ1は中断期間に入り、リーグ戦は一旦おやすみになっています。(J2やJ3は引き続き試合を開催していますが…)

Jリーグのクラブで働く身としても、この4年に一度の祭典はやっぱり楽しみなわけで、テレビでハイレベルなサッカーを楽しみたいなぁと思うわけです。

早速ロシアワールドカップの放送予定を調べてみた

我が家は賃貸なのですが、そこそこ年数が経っていることもありBS放送が映らないのです。

日本代表戦はきっと地上波で放送されるだろうけど、それ以外の試合はBSでしか放送されない試合もあるんじゃないかと思い、いてもたってもいられずすぐに調べました。

ロシアW杯のグループリーグ、決勝トーナメントを合わせた全64試合はNHKと民放にて生中継の予定。なお、NHKでは開幕戦や決勝戦を含む33試合を生中継し、全64試合を録画放送する。放送日程は以下の通り。(表記は全て日本時間)

(中略)

■6月19日(火)
21:00 コロンビア vs 日本(NHK/NHK BS1)

■6月24日(日)
24:00 日本 vs セネガル(日本テレビ/NHK BS1)

■6月28日(木)
23:00 日本 vs ポーランド(フジテレビ/NHK BS1)

決勝トーナメントを合わせた全64試合はNHKと民放にて生中継の予定と記載があり、一安心したのもつかの間、改めて中継一覧を見ると、NHKまたは民放(地上波)とNHK-BS(衛星放送)が全試合並列に記載されているすごさ。

ワールドカップの放映権

世界的なイベントであるW杯の放映権は、ジャパン・コンソーシアム(JC=NHKと民間放送局の共同制作機構)が広告最大手の電通を通じFIFAから放送権を購入しているようです。

ロシア大会全64試合のうち、過去ワールドカップ放送で大きな実績を持つNHKが半分の32試合を持ち、民放への割り当ては32試合になる。日本の第2戦セネガル、第3戦ポーランド、準決勝、3位決定戦などの中継カードをめぐり、各局の代表者による抽選が行われていた。

テレビ東京は「編成上の理由」として中継から撤退し、参加は日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日。中継カードを選ぶ順番を決める抽選では日本テレビが1番くじを獲得。2番はフジ、3番はテレ朝、4番はTBSだった。

という理由で、日本テレビ系列とフジテレビ系列が日本戦の放映する権利を得たと記載されています。

一方で記事を読んでいくと、

民放にとって大きな収入源となるゴールデンタイム(午後7時から同10時)、プライムタイム(午後7時から同11時)のレギュラー番組には、CMを出す大企業(提供スポンサー)がほぼついている。民放関係者は「午後9時、午後11時キックオフの試合を放送すると、通常のレギュラー番組の収入を捨てなくてはいけない。W杯の試合で新たにCMを付けるが、放送権料が高すぎてどんなに視聴率が獲得できても黒字になりそうにもない」と明かす。

しかも午後9時、午後11時開始の試合は、試合前後の1時間、合計2時間のハイライト番組をつけるルールが設けられている。関係者は「サッカーの試合だけでは流すCM量に限りがある。前後にハイライトをつけることでよりたくさんのCMを流せる。それが理由では」と推察する。逆に深夜3時開始の放送では、提供スポンサーがほぼついておらず、W杯を放送しても収入減の痛手は少ない。また高い視聴率が見込まれないため、ハイライト番組もない。優先順位の1番、2番を引いても、収支から日本戦を獲得すべきか議論になった局もあったほどだ。

と記載があり、中継対象試合の選定でかなり駆け引きがあったようで、詳しい続きは記事を見ていただければと思います。

ただ、最後のオチに、収益の話としてテレビ東京のように中継に加わらずにハイライトだけを流す戦略が賢いと記載があります。

確かに高騰し続ける放映権料を考えると地上波での放送を諦める民放が増えてもおかしくないです。

ブラジルワールドカップの時と比較してもサッカー日本代表への関心は感覚として下がってると思います。直前での監督交代によって注目を浴びるようになりましたが、放映権料に見合うだけの価値があるかと問われると微妙な状況になりつつあります。

テレビ中継もスポンサーあっての放送ですので、昨今Jリーグの試合が地上波で放送されず、DAZNというインターネット放送の有料放送へ変化するように近いうちにW杯もそのような時代が到来するかもしれません。

テレビが廃れたとよく聞きますが、サッカー業界に身を置いている感覚では地上波で放送されるかどうかはかなり影響があります。特に小学生年代は自分でDAZNを見ることができませんが、地上波であれば間違いなく見ることができます。Jリーグでどれだけ活躍しても代表に選ばれずにいれば地上波に登場する機会もないため有名にはなれません。

子供達の憧れであるためには地上波のテレビの向こうで活躍することが今も変わらず大切なのだと小学生たちと触れあうたびに感じます。

まずは今回の日本代表の選手たちが活躍し、良い成績で終え、次のワールドカップまで期待を膨らませてくれる感じになると引き続き地上波での放送に期待が持てます。

それが将来のサッカー選手を目指す子供達に焼きつくきっかけになると思います。