ロシアワールドカップでのVARシーンを振り返ってみた

ロシアW杯から試合をサポートするテクノロジーの一つとしてVARが導入されました。

VARとは何か

ビデオ・アシスタント・レフェリー制(VAR)とは試合の結果を左右するであろうシーンに限定してビデオを活用して正しい判定の補助をする仕組みです。判定に要した時間はアディショナルタイムに追加されます。

・ゴール判定…ボールがきちんとゴールラインを割ったか、クロスボールがラインを割っていないか等、試合に直接大きく影響する場面。

・PK判定…ペナルティエリア内でのファールが、PKを与えるのに値するプレーかどうか不明確な場面。

・一発退場…一発レッドカードに値するファールだったかどうか不明確な場面。

・選手への処分…主審が選手を注意したり退場処分にした際、その処分が正しかったどうか不明確な場面。

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実際に使われたシーン

1)ペナルティエリアでのスライディング

16日のフランス代表対オーストラリア代表の一戦、スコアレスで迎えた57分に試合が動く。フランスのグリーズマン選手(青色)が抜け出すと、オーストラリアのジョシュ・リズドン選手(黄色)がスライディングで止めるシーンがありました。グリーズマン選手は相手選手のスライディングを受けて倒れていました。

2)審判の当初の判定はノーファール

主審はこのシーンをファールなしと判断し、そのまま試合を続行させていました。

3)主審によるVARの判断

おそらくVARを司る担当者からリプレーを見て、VARでの判断を促されたのかボールが落ち着いたタイミングで試合を止めて、VARの判断に移りました。

ピッチ中央で試合を止めて、4審ベンチの方向に向かって走り出しました。

主審が4審ベンチ方向に走っているのですが、この時、選手や監督、コーチなどがざわつく感じになります。休憩に当てることもできますが場合によっては集中が切れる可能性もありそうです。

4)ビデオ判定

そして4審ベンチの裏に用意されたモニターで該当のシーンをチェックしています。画像にはオペレーターチームも映っています。

5)判定結果、ペナルティキックへ

ビデオの確認を終えて主審はピッチに戻り、ビデオ判定の結果、ペナルティキックの判定を下しました。

6)試合の中断した時間

この一連のプレーを止めたところからビデオ確認を終えて、主審がピッチに戻ってくるまで約60秒ちょっと、警告が出るまでに約120秒、PKを蹴るまでに約150秒程度という具合です。

後半のアディショナルタイムは6分でしたので、このシーンでおそらく90秒から120秒ほどは追加されたと思われます。

テレビで見ている分には何度もリプレーが出るので待たされている感じは受けませんでした。

この試合のハイライトは下記をご確認ください。

www1.nhk.or.jp

すでにVARを活用したシーンは何度も出ています。このワールドカップの間にVARは何回登場するでしょうか。