Jクラブのスタッフが案内するサッカー観戦初心者向け楽しみ方(前日まで編)

知り合いからサッカーの観戦チケットをもらったり、サッカー観戦に誘われたりとまったくサッカーのルールも知らないのにスタジアムに行くことになった・・・

そんな方に楽しみ方をざっくり簡単にお伝えしたいと思います。

【事前準備編】観戦前日までにやっておいたほうがよいこと

初めての方は特に何を最低限調べておけばよいのかわからないことだらけかと思いますので事前に調べておいたほうが良いことを簡単にまとめておきます。

・(優先度:高)天気予報

ドーム球場も多いプロ野球と違い、サッカーは屋根が無いスタジアムも非常に多いです。観戦中は傘を差せないため、初めての観戦で雨の日を選ぶのはおすすめしません。

・(優先度:高)交通手段

どのスタジアムも集客人数に対して駐車場が十分に用意されているとは言えません。ホームチームのHPでアクセスを調べて、おすすめされている交通手段に従うのが手堅いです。

たまに駐車場の穴場をHPで探して当日行ったら、満車で散々なことになったという話も聞きます。

終電などの電車の時間を調べる際の目安としては、試合前の到着は1時間前、試合後の移動が開始できるのはキックオフ3時間後(試合後1時間)を見込んでいたほうがよいです。

・(優先度:高)チケット

チケットについて調べるのは天気予報と交通手段をよく吟味してからで問題ありません。観戦に行くのが難しい状況なのに先にチケットを買ってしまうと後戻りできません。一度買ってしまったチケットの返金はできないため注意が必要です。

多くの試合では試合前日までコンビニやインターネットで販売している前売券のほうが当日券よりも安く設定されていますので先に買っておくことをおすすめします。

また前売券が完売している場合は当日券の販売はほとんどありませんのでご注意ください。

試合日や対戦カード、来場特典などで早々にチケットが完売になっていることがあります。ヤフオクやメルカリなどで頑張れば入手できますが割高なのと万が一何かあったときに十分な対応をしてもらえない可能性がありますので利用するのはやめましょう。

特に完売した試合については混雑がひどく、何をするにしても時間がかかるので初めての方にはおすすめしません。

・(優先度:中)イベント・グルメ情報

多くのチームは試合日にいろいろなイベントを実施しています。イベントの大小はばらつきがありますので事前にHPで調べておくことをおすすめします。

概ね7日前から3日前には情報が出揃うことが多いので何度かチェックしておきましょう。

イベント以外にもスタジアムで食べることができるグルメ、スタジアムグルメ(スタグル)も紹介されていますのでこちらもチェック!

・(優先度:中)体調管理

サッカー観戦は屋外ですので想像よりも体力を奪います。思ったよりも歩きます。きちんと睡眠時間は確保しておくことをおすすめします。試合会場で体調不良を訴える方の多くは寝不足に起因して無理した方が多いです。

・(優先度:低)洋服の準備

試合当日に何を着ていくかの準備も余裕があればしておきましょう。天候を踏まえつつ、気をつけてほしい点が2つあります。

一つ目はスタジアム内では移動が多いので動きやすい服装を。

二つ目は色使いに注意を。手堅いのは白、グレー、黒系統。

試合観戦に慣れてくるので難しい話ではないのですが、初めての方は、スニーカーにデニム(ジーンズ)、上着は白やグレー、黒系統のコーディネーションをおすすめします。特に色合いについては選手のユニフォームの色に基づくのですが、調べるのは結構面倒です。余裕があれば調べるぐらいで構いません。

前日までにここまで準備できていれば大丈夫でしょう。

子連れで楽しむサッカー観戦のポイント

Jリーグの試合会場では老若男女様々なの方にご来場いただいており、他の国々と比較しても子連れでも安全にサッカー観戦を楽しむことができます。

(海外では一部サポーターが暴徒化し、サポーター同士での争いなど危険な出来事に出くわす可能性があります)

チケットは何枚必要?

クラブでの問い合わせも時々あるのが

未就学児(幼稚園児や保育園児)はチケット、必要ですか?

という質問です。

すべてのクラブで同一の案内をしているかは不明ですがオーソドックスなルールとしては大人の方1名につき、1名まではチケットがなくても入場ができます。

この考え方の根底は大人の方の膝の上で観戦するのであれば無料というものに基づいています。

そのため、もし未就学児でも座席で観戦する場合はチケットの購入が必要です。チケットが大人と小人で分かれているようであれば小人のチケットで問題ありません。もしもらいもののチケットで大人のものでも入場でき、着席して観戦できます。

お子様が小学校に入学する間際とかですと膝の上に90分間は大変かと思いますので、チケット購入をおすすめしています。

どの席種がおすすめ?

対戦カードやスタジアムによってかなり条件は異なるのですが、空いてそうな自由席をおすすめします。

理由としては、周囲を人で囲まれると動きづらくなりトイレにも行きづらくなります。

また、空いている場所であれば子供が退屈したときに多少動いても周囲に迷惑はかかりません。

ベビーカーやオムツ替え、授乳室は?

スタジアムによって施設環境の差は激しく、子連れの方への対応の差は特に顕著です。古いスタジアムでは十分な数のオムツ替えや授乳室が用意されていないこともあります。

観戦場所までも段差が多いためベビーカーでの移動は大変なことが多いです。ベビーカーはどこかで預かってくれることが多いので近くのスタッフに問い合わせてみるとよいでしょう。

こんなサッカー観戦もおすすめ

最後に、子連れでもサッカー観戦を楽しむ方法で個人的なおすすめは高校生年代の試合です。

どのJリーグチームも高校生年代のチーム(ユースやU-18などと呼ばれています)を保有しています。

このチームに所属する選手たちは将来のJリーガーや日本代表になる可能性がある子供たちです。

プロの選手たちには及びませんが、かなりハイレベルなプレーを見ることができます。そういった選手たちの公式戦が週末に全国各地で行われています。そしてのその多くは無料で観戦できます。(中にはサポーターが応援して歌を歌っているとこもあり)

のほほんとした雰囲気で観戦できますので個人的にはおすすめです。

夏場のサッカー観戦に必要な7つのモノ

そろそろ暑い夏も終わりそうですが、夏場のサッカー観戦に必要なものについてサッカークラブで働く人の立場で紹介したいと思います。

もちろんJリーグのようなプロサッカーのみならず少年サッカーの観戦、サッカー以外の野球などにも当てはまるかと思います。

【夏場のサッカー観戦におすすめするもの一覧】

  • 水分(水筒やタンブラーがなければペットボトル)

夏場は外にいるだけでも体からの水分を奪われます。スタジアムでも飲み物は販売していますが場所によってはすぐに買いにいけないときもあります。それに自分が飲みたいと思うときは、周りの皆様も一緒で買うまで時間がかかるものです。手に入るまでに体調を崩してしまったらそのあとの観戦も残念になってしまいます。

飲みたいときに飲めるように夏場は水分を持参されることをおすすめします。

持参される際の容器については注意が必要です。Jリーグではリーグ統一の決まりでスタジアム内にビンや缶の持ち込みが禁止されています。入場ゲートの手荷物検査で用意されている紙コップなどへの移し替えをすることになります。ただ紙コップもなかなかの曲者で、混雑していると人にぶつかってこぼれたり、座席に置いていたものを倒して中身がなくなったりと悲しい事が度々起きます。

ペットボトルは各クラブによっては裁量が違い、容量で制限をかけているクラブもあれば、そもそも持ち込みを禁止している会場もあります。事前に各クラブのホームページで確認することをおすすめします。

そういった事情の中で手堅いのは水筒やタンブラーです。手荷物検査でもひっかかることはありません。中身もこぼれる心配もありません。

水分と書いておりますが、アルコール類は別です。体から水分を奪うため夏場のアルコール摂取は体調を見ながら適度に楽しみましょう。試合前から飲みすぎで気持ち悪いまま試合が終わってしまった話や病院に行く事になってしまった方など夏場は散見されます。

  • タオル

なにかと汗をかきがちな夏場には必須の持ち物です。首回りを日差しから保護したりなど思ったよりも活躍します。

スタジアムでも販売していることが多いですので、観戦の記念に買って、観戦時に掲げていただいたり、振り回してもらうとなお楽しいかと思います。

  • 帽子

観戦慣れしている方は座席によって試合中日に当たるかどうか知っているため持っていかない方もいますが、初めての方は持って行って損はしません。何より道中やスタジアムでもなかなか買えない道具のひとつですので、ぜひ持参ください。

スタジアムに入場するまでに外で待つときや入場後も屋根がないスタジアムがあります。そういったときに帽子があると非常に便利です。

スタジアムにはたくさんの人で溢れていますので、迷子を未然に防ぐのにも役立ちます。

  • うちわ

スタジアムによっては会場の入り口で配られるときもあるのですが、持参されることをおすすめします。場外は風通しが良いスタジアムも場内はまったくの無風ということもあります。

お気に入りのうちわを持って行くのも良いですが、場合によっては酷使する可能性もあるため、捨ててもよいようなうちわをおすすめします。

  • 着替え

汗をかいたときに着替えがあると安心です。本人の意思とは別に汗をかきますので、帰りも気持ちよく帰れるように持参することをおすすめします。

Tシャツは会場でも売っていることが多いですので、観戦の記念にぜひ。チームカラーのシャツを着ることで応援慣れしているようにも見えますし、同じ色のシャツをきている人たちが仲間に見えてきます。

  • カッパ

夏場には通り雨やゲリラ豪雨などに遭遇する可能性が高いです。屋根があればよいのですが、そうもいかないスタジアムも多いです。サッカーは雨でも試合は続きますので、屋根があるところに避難している間も試合は進みます。

カッパやポンチョはスタジアムでも販売していることが多いですが、予報にない雨のときほど買うのに時間がかかり、最悪売り切れということがあります。

また、試合中の観戦時には傘が差せない会場もありますのでカッパの持参をおすすめします。

  • 大きめのビニール袋

ここまでの持ち物はなんとなく、理解できるものばかりでしたが、大きめのビニール袋って何に使うのでしょうか…

実はマルチに活躍するのが大きめのビニール袋なんです。

濡れたタオルやシャツを持ち帰るのは当然のこと、大雨がきたときに、体はカッパで隠せますが荷物が濡れてしまいますので、ビニール袋に入れてしまう事ができます。

それ以外にもスタジアムの外で地面に座りたいと思ったときに簡易なビニールシートにもなります。

  • 最後に

用意万全でスタジアムに向かった方が楽しめる確率はあがります。イベントにハプニングはつきものです。ちょっとした準備でハプニングも解決することがありますので、上のリストを参考に観戦の準備をしていただければと思います。

五輪に向けたサマータイムの導入とJリーグへの影響を考える

日に日に東京オリンピックが近づく中で、日本でもサマータイムを設けることを検討するニュースが流れました。

www.nikkei.com

確かに連日の猛暑の中でマラソンを午前中でも厳しいものがあります。

そこで朝7時にマラソンをスタートするところをサマータイムを導入して朝5時(サマータイム導入後では7時)から開始することで暑さ対策をするというものです。

実質2時間前倒しすることでマラソンは恩恵を受けることができますが、プロ野球やJリーグへの影響を考えたいと思います。

例えば導入前で18時開始の試合があったとします。

サマータイムで2時間早まると現状の時刻で言うと16時開始相当となり完全にデーゲームになり、屋外は暑すぎてとても試合どころではありませんので、サマータイムの影響である2時間分だけ後ろに倒すと導入後時間で20時開始になり、今までと同じようなナイトゲームになります。

(時間がサマータイム導入前と導入後の時間が混じるとややこしいですね)

サッカーよりも野球の方が試合時間も長いため導入後時間20時に開始すると長い試合は4時間はかかります。そうすると24時に試合が終わり、家に着く頃には25時という具合です。

このような状況になると何が起こるか…

・睡眠時間が短くなる

・終電が遅くならざるをえない

・22時以降の夜間割増の費用が増える

など

夏の屋外の夜間イベントは割ととばっちりを受けそうです。

メリットがあるとすれば平日に(特に金曜日)仕事帰りの社会人をイベントに誘致しやすいことでしょうか。

一方で東京オリンピック期間中はJリーグやプロ野球を開催しないといった話も出ていますので、こういった問題も杞憂になりそうですが…

www.hochi.co.jp