ロシアW杯のキックオフ時間〜日本との時差は?〜

世界的なスポーツイベントをテレビで見ようとすると気になることは時差です。

今回のロシアで行われるサッカーワールドカップも当然時差があります。

今回は簡単に時差をチェックしたいと思います。

ロシアワールドカップの時差は?

端的にまとめると、

カリーニングラードは-7、サマラは-5、エカテリンブルクは-4、それ以外は-6時間

ということになります。

つまり-4時間から-7時間の時差があります。さすがロシア、面積が広いだけあります。

時差が一番大きいカリーニングラードは限りなく西洋よりに位置しています。

地図で見ると興味深いのですが、飛び地になっており、ざっくり言うと陸続きではない場所です。ソ連時代の軍事関係の兼ね合いで重要なポイントみたいです。

www.huffingtonpost.jp

日本代表の試合での時差は?

6/19 第一試合

VS コロンビア戦 NHK総合

ロシア時間:15:00~

日本時間:21:00~

6/25 第二試合

VS セネガル戦 日本テレビ系

ロシア時間:20:00~(24日)

日本時間:00:00~(25日)

6/28 第三試合

VS ポーランド戦 フジテレビ系

ロシア時間:17:00~

日本時間:23:00~

というようにデイゲームからナイトゲームまであります。

全試合のわかりやすいキックオフ時間一覧は?

いろいろなサイトをチェックしましたが、その中で私がおすすめするのは、

朝日新聞HPの2018ワールドカップ試合日程・結果でした。

ボタンひとつで現地時間と日本時間を切り替えできる便利な機能がいい感じです。

www.asahi.com

ワールドカップとキックオフ時刻問題

前回のブラジルワールドカップの時に話題になりましたが、放映権とキックオフ時刻が密接に絡み合って、無謀な時刻のキックオフがたくさん組まれました。

olympico.cocolog-nifty.com

夜10時キックオフの試合は世界的に見てもまったくないわけではないが、公共交通機関などを考慮すると信じがたい時間ですね。

そういう視点で今回のロシアでのキックオフ時間(現地時間)を見ると、13時〜21時キックオフとなっており、ブラジルの時よりはいささか改善されたと言えるでしょう。

現地で観戦される数万人よりもテレビで観戦する数億人が優先されていることは明らかでしょう。もし日本でワールドカップを開催したらどうなるのか不安ですが・・・。

皆様も体調には気をつけつつ、ワールドカップを楽しみましょう!

ロシアワールドカップでのVARシーンを振り返ってみた

ロシアW杯から試合をサポートするテクノロジーの一つとしてVARが導入されました。

VARとは何か

ビデオ・アシスタント・レフェリー制(VAR)とは試合の結果を左右するであろうシーンに限定してビデオを活用して正しい判定の補助をする仕組みです。判定に要した時間はアディショナルタイムに追加されます。

・ゴール判定…ボールがきちんとゴールラインを割ったか、クロスボールがラインを割っていないか等、試合に直接大きく影響する場面。

・PK判定…ペナルティエリア内でのファールが、PKを与えるのに値するプレーかどうか不明確な場面。

・一発退場…一発レッドカードに値するファールだったかどうか不明確な場面。

・選手への処分…主審が選手を注意したり退場処分にした際、その処分が正しかったどうか不明確な場面。

www.soccer-king.jp

実際に使われたシーン

1)ペナルティエリアでのスライディング

16日のフランス代表対オーストラリア代表の一戦、スコアレスで迎えた57分に試合が動く。フランスのグリーズマン選手(青色)が抜け出すと、オーストラリアのジョシュ・リズドン選手(黄色)がスライディングで止めるシーンがありました。グリーズマン選手は相手選手のスライディングを受けて倒れていました。

2)審判の当初の判定はノーファール

主審はこのシーンをファールなしと判断し、そのまま試合を続行させていました。

3)主審によるVARの判断

おそらくVARを司る担当者からリプレーを見て、VARでの判断を促されたのかボールが落ち着いたタイミングで試合を止めて、VARの判断に移りました。

ピッチ中央で試合を止めて、4審ベンチの方向に向かって走り出しました。

主審が4審ベンチ方向に走っているのですが、この時、選手や監督、コーチなどがざわつく感じになります。休憩に当てることもできますが場合によっては集中が切れる可能性もありそうです。

4)ビデオ判定

そして4審ベンチの裏に用意されたモニターで該当のシーンをチェックしています。画像にはオペレーターチームも映っています。

5)判定結果、ペナルティキックへ

ビデオの確認を終えて主審はピッチに戻り、ビデオ判定の結果、ペナルティキックの判定を下しました。

6)試合の中断した時間

この一連のプレーを止めたところからビデオ確認を終えて、主審がピッチに戻ってくるまで約60秒ちょっと、警告が出るまでに約120秒、PKを蹴るまでに約150秒程度という具合です。

後半のアディショナルタイムは6分でしたので、このシーンでおそらく90秒から120秒ほどは追加されたと思われます。

テレビで見ている分には何度もリプレーが出るので待たされている感じは受けませんでした。

この試合のハイライトは下記をご確認ください。

www1.nhk.or.jp

すでにVARを活用したシーンは何度も出ています。このワールドカップの間にVARは何回登場するでしょうか。

ロシアワールドカップのMVPはNHKアプリで決定?

開幕前はまったく盛り上がりの要素もなく本当にロシアワールドカップが開催されるのか不安でしたが、いざ開幕すれば毎日サッカーを観戦できて本当に幸せです。最高の週末ではなく、最高の毎日です。

そんなサッカーファン達を日々を楽しませてくれるのが巷で話題のNHKのアプリでしょう。

www1.nhk.or.jp

スマートフォンの方はこちら

(iPhone)

NHK 2018 FIFA ワールドカップ

NHK 2018 FIFA ワールドカップ

  • NHK (Japan Broadcasting Corporation)
  • スポーツ
  • 無料

(android)

play.google.com

NHKアプリの何がすごいのか?

アプリのすごいところを3つにまとめると下記になります。

1)生中継がある(一部の試合)

2)フルタイムの見逃し配信がある(配信から7日後まで)

3)様々な角度のカメラで楽しめる

他にもいろいろとスタッツだったり、主要シーンから視聴開始できたりとかなり至れり尽くせりなアプリです。

1)生中継がある(一部の試合)

生中継があるというのはテレビのことではなく、インターネットを介してスマートフォンで試合が放映されます。通信料やパケットの使用量は無視すれば、どこにいてもワールドカップの熱戦とリアルタイムに楽しむことができる時代が来ました。

2)フルタイムの見逃し配信がある(配信から7日後まで)

フルタイム(90分)の見逃しがあるのは短期間に64試合あるワールドカップでは大変助かります。この機能がないとテレビで全試合地上波で放送されると言っても全て録画予約するのは相当手間ですし、ハードディスクの容量の心配もあります。

視聴期間に限りがありますが、録画設定も不要で、いつでもスマホさえあれば試合を視聴できるのは本当に便利です。

www1.nhk.or.jp

3)様々な角度のカメラで楽しめる

1も2も無料の時点で十分すごいのですが、極め付けが様々な角度のカメラで試合を楽しめる機能です。

おそらく世の戦術マニアはこの機能を使って何回も試合を繰り返し見ているに違いありません。

通常の中継ですと試合を横から観戦するように放送しています。

今回NHKアプリではマルチアングル機能で戦術カメラを選択すると、

このように縦に試合を観戦することができます。この画像は、スペインのゴールキックからビルドアップのシーンになります。

上の画像ではボールを中心にカメラワークしているため、ボールから距離がある選手がどのような動きをしているか見えませんでした。

上の画像では白いユニフォームを着用したスペインの選手が9名しかわからず、赤いユニフォームを着用したポルトガルも6名しかわかりません。残りの選手がどんな動きをしているのかがわかりませんでした。

下の画像では全ての選手の動きが見て取れます。ビルドアップを受ける側の選手達が最終ラインをどこに設定しているのか、最前線のFWの選手をどうやってマークするのかといった情報がまるわかりです。

テレビで見れない駆け引きなどは試合会場じゃないと楽しめないと言われてきましたが、このアプリによって試合会場に行かなくてもわかるようになりました。

もちろん個人的な戦術マニアにとって最高な機能ではありますが、インターネットとスマートフォンという組み合わせでしかも無料なことを考慮すると、高校生でも戦術勉強の資料にもなります。試合も超一流の選手達がプレーしているので教材としてはこの上ない素材です。(試合後7日間限りというのが本当に悔やまれます)

高校や大学であれば学校にパソコンもあるでしょうし、分析レポートのネタにするにはちょうど良いでしょう。

プレーヤーを育てるのも大事ですが、分析できる人材を増やすことも日本サッカーの強化には必要不可欠です。そういった中でITを活用して分析する機会に恵まれるのはありがたいことです。

Jリーグでもこんな機能が欲しい

Jリーグの中継でもこんな機能をDAZNが実装してくれると嬉しいのですが、スタジアム環境に大きな開きもあるので全試合いきなりというのは難しいと思います。ただ特定の試合だけでも良いので、こういった取り組みがDAZNでも配信されると、この国のサッカー文化はより深くなると思います。

【天皇杯】誰でもわかる名古屋グランパスと奈良クラブのPKやり直しのポイント(動画とルールの説明あり)

メディアはすっかりワールドカップ一色のはずが、6月6日に全国各地で行われた天皇杯2回戦「名古屋グランパスVS奈良クラブ」でご存知の通り、PKのやり直しの裁定が日本サッカー協会(JFA)から発表されました。

www.jfa.jp

PKやり直しの発表があるまでの出来事

今回PKやり直しになったまでの出来事を整理すると、下記のようになります。

6日(水):天皇杯2回戦でPK戦の末に名古屋に勝利
7日(木):観客(審判3級資格保有者)から「新ルールが適応されていない」とJFAへ指摘が入る
8日(金):JFAから「レフェリーの適応ミスがあり奈良クラブの敗戦」と連絡が入る。同日夜、JFAから3名が奈良へ派遣されてクラブや選手に直接説明

(中略)

11日(月):JFAから「PK戦のやり直しが決定された」と連絡が入る、JFAも会見を開く
12日(火):JFAが臨時の審判委員会を開き、当該選手のキックが反則ではなく正当なものだという最終見解を示す

headlines.yahoo.co.jp

PKでの出来事をおさらい

ABBA方式のPK戦で実施され、

奈良クラブ2(2/3成功)−4(4/4成功)名古屋グランパスの状況で

奈良クラブ4人目のキッカーとして金久保選手の出番となりました。

金久保選手が失敗すると奈良クラブの負けが決まるシーンです。

※ABBA方式であることと、動画によって一番最初の奈良クラブのキッカーが写っていないことがあり、順番の混乱を招いているようです。

話題になったPKは動画で見ると下記になります。

www.youtube.com

奈良クラブの背番号40の金久保選手が助走の際にケンケンするようなモーションを取り、シュートを打ち、ゴールに決まりました。

youtu.be

シュートが決まったあとですが、名古屋グランパスのGKランゲラック選手が審判に対し、おかしいのではないかというジェスチャーを見せつつ、審判は同時に金久保選手に蹴り直しを命じます

その後、金久保選手は蹴り直しでもシュートを決め、最終的に奈良クラブが逆転で勝利します。

何が問題になったのか?

試合の翌日にJFAに問い合わせが入った内容を簡単に説明すると、

金久保選手のPKについて審判がやり直しを命じているが、規則では失敗扱いにすることと警告を出すことが正しいのではないか

ということでした。

サッカーの競技規則(2017-2018)に照らし合わせますと、

競技規則 | 日本サッカー協会

http://www.jfa.jp/documents/pdf/soccer/lawsofthegame_201718.pdf

10条 試合結果の決定(P.88 一部抜粋)

主審がキックを行うよう合図した後に犯した反則でキッカーが罰せられる場合、そのキックは失敗として記録され、キッカーは警告される。

14条 ペナルティーキック(P.110 一部抜粋)

競技者が一度助走を完了した後、ボールをけるためにフェイントをする(助走中のフェイントは認められる)。

という項目に該当します。

審判は金久保選手の助走について不正なフェイントとして反則だと判定したところで、正しくは金久保選手のキックを失敗扱いにすべきでした。

金久保選手の蹴り直しの機会はなく、失敗扱いにすると奈良クラブはその時点で敗退が決まります。

JFAからの通達は最初、奈良クラブを敗退扱いにするという内容だったのは、審判の適用ミスによって存在しない続きのPKが行われた結果は無効にするということに起因していると思われます。

なぜPKやり直しになったのか

ここまでは多くのメディアが報じているのですが、時系列の説明のようにやり直しの発表があった翌日に審判委員会の見解で金久保選手のPKの助走はルールの範囲内であるという発表が出てきます。

つまり金久保選手の助走は不正ではなくルールに認められた正しいものであったということです。

改めて動画を見ると

www.youtube.com

金久保選手が助走の際にケンケンするようなモーションを取り、シュートを打つ過程において助走からシュートまで止まっていません。

14条 ペナルティーキック(P.110 一部抜粋)

競技者が一度助走を完了した後、ボールをけるためにフェイントをする(助走中のフェイントは認められる)。

という項目に該当しないと、誤審であることを公表しました。

www.nikkansports.com

改めて整理するとこのPKでの起きた問題は二つあります。

1)金久保選手の助走を「不正なフェイント」として判定したこと:誤審

2)不正なフェイントへの罰則として蹴り直しを命じたこと:規則の適用ミス

ここから発生する事象は

A:1)の誤審がなければ、2)の規則の適用ミスは発生しません。

B:1)の誤審が発生するも、2)において正しく規則を適用し失敗とする。

C:1)の誤審が発生し、2)の適用ミスも発生し、蹴り直しをする。

になります。

今回の試合で起きてしまったケースは、Cに該当します。

審判は誤審をし、規則の適用も誤る2重のミスを起こしています。

そして日本サッカー協会は、問い合わせを受けてBの選択に戻るべきと考えました。

と同時に1)の事象にも気がつき、本当はAの選択が理想だがAとBでは勝者となるチームが異なり、国際サッカー評議会(IFAB)に問い合わせをします。

問い合わせの結果PKやり直しという判定を下せることを知り、やり直しの判定を下したということになります。

誤審と適用ミスの違い

やり直しよりもAの解釈を尊重し、奈良クラブの勝利にしたほうがいいのではないかという考えに至りたいところですが、サッカー界のルールで「審判の判定を尊重する」というものがあります。

語弊を恐れずに言えば、審判が白い物を黒だと言えば、黒にするという具合です。もちろん後日、審判には処罰があるでしょうが、試合の記録は訂正しないのがポイントです。

一方で競技規則の適用ミスについては遡れるようで過去にも途中からやり直したり再試合の判定が下せるようです。

www.soccer-king.jp

このあたりの加減については、なかなか難しいところですが、誤審も全て再試合ややり直しの対象にするとサッカーそのものが成り立たなくなる恐れもあります。

一方で適用ミスならば戻れるというのも説明が難しいところです。

そもそも論になると誤審もなく規則の適用ミスがなければこんな問題は起きなかったということでロシアワールドカップではVAR(ビデオ判定)が導入されています。

審判の見逃しや誤審防止に一役買っていますが、導入したらしたで物言いがつくのもなかなか厳しい世の中だと思います。

www.goal.com

ロシアサッカーワールドカップ(W杯)をインターネット生中継を無料で公式に楽しむ方法

いよいよ始まりましたロシアワールドカップ。

私も面白そうな試合はライブで見るようにしていますが、見ていない試合も見応えがある試合だったと話題があがるなど、ますます全試合見たくなる日々です。

2018年ワールドカップで特筆すべき出来事の一つとして、試合がパソコンやスマートフォン(iPhone・android端末)でインターネットでしかも無料で公認で視聴することができるのです。

どうすればネットで見れるの?

今回日本の放映権はNHKと民放の連合で獲得しているため、全64試合のうち半分の32試合をNHKが中継し、残りの32試合を民放連合(日本テレビ系列、テレビ朝日系列、TBSテレビ系列、フジテレビ系列)が地上波放送を担当しています。

そのため、インターネットでの配信も

NHKは専用ページ(アプリ)

www1.nhk.or.jp

民放連合はTVer(ティーバー)

tver.jp

で行っています。

放送スケジュールは?

上記のように放送する団体が大まかに2つに分かれている都合もあり、どの試合がどっちで配信されているのか事前に調べておかないと、キックオフから見れない・・・って状態に陥ってしまうので、先にチェックしておきましょう。

注目カードだけ抜粋してお伝えすると下記のようなスケジュールになっています。

<グループリーグ>
6月19日(火)19:00 日本vsコロンビア NHK
6月24日(日)22:00 日本vsセネガル  TVer
6月28日(木)21:00 日本vsポーランド TVer

<決勝トーナメント/グループリーグ1位通過の場合>
1回戦 7月4日(水)2:45(7/3 26:45) NHK
準々決勝 7月7日(土)22時53分
準決勝 未定
決勝戦 7月15日(日) 22:45 NHK

<決勝トーナメント/グループリーグ2位通過の場合>
1回戦 7月3日(火)2:45(7/2 26:45) NHK
準々決勝 未定
準決勝 7月11日(水)2:45(7/10 26:45) NHK
決勝戦 7月15日(日)22:45 NHK

上記以外の配信スケジュールは下記をご確認ください。

www1.nhk.or.jp

TVer 2018 FIFA ワールドカップ インターネット配信スケジュール 

なぜ、インターネットで放送しているの?

利用者の立場で言えば、合法的にインターネットでワールドカップを視聴できるのは大変喜ばしいことなのですが、スポーツビジネスの観点で放映権というのはかなり大事なキーワードです。

NHKの公式サイトの記載を引用すると、

NHKでは2018 FIFA ワールドカップを対象に、総合テレビで放送される中継番組の中から、日本代表の初戦や決勝戦など、注目の試合を中心に、試験的にインターネットでも同時に配信を行います。(試験的提供A)

※これは、総務大臣に認可を受けた「放送法第20条第2項第2号および第3号の業務の実施基準(インターネット実施基準)」に基づき、NHKのインターネットサービスの改善・向上に役立てるため、実施するものです。
※インターネット接続の環境があれば、どなたでも視聴できます。事前の登録などは必要ありません。
※通信量の目安は、最大で1時間視聴時に700MBです。動画視聴の際の通信料は、ご自身の負担となります。

という内容が書かれています。

昨今のテレビ離れが押し進む中で、ワールドカップの放映権料は値上がりの一方。

そういった中でインターネットで配信することでどれほどの視聴者数がいるのか把握したいという側面があるだと思われます。(どのような環境でいつから視聴を開始して、どのタイミングで視聴を止めるかなどテレビと比較して様々なデータを取得できます)

表立ってインターネットで配信していることをアピールしていませんので、今回の視聴状況を踏まえて、次の世界的なスポーツイベント(東京オリンピックや次回ワールドカップ、ラグビーワールドカップなど)でのインターネット中継の公式化を見据えているのではないかと思います。

テレビを持っていない方も、今回のサービスの恩恵を受けてロシアワールドカップを楽しみましょう。

(天皇杯)PKにおけるABBA方式の導入の是非

今年の天皇杯からPKにおいてABBA方式が導入されました。

そもそもPKにおけるABBA方式とはwikipediaによると、

先攻後攻が交互に蹴る方式ではなく、先攻→後攻→後攻→先攻の順番でキックを行う「ABBA方式」

PK戦 – Wikipedia

というように、記載されています。

どうしてこのようなわかりにくい方式に変わったかと言いますと、統計でPKは先行が有利という傾向が出ていることに基づいています。

イギリスの教育・研究機関ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)により、以下のような研究結果が発表されている。

1970年から2000年にかけて国内外で行なわれた主要な大会のPK戦2,820件を分析した結果、最初に蹴ったチームの60%が勝利している。言いかえれば後攻の勝率が40%ということであり、先攻の勝率は後攻の1.5倍ということである。
PKの先攻・後攻を決めるトスに勝った主将は、20人に19人(95%)の割合で先攻を選んでいる。
プロやアマの選手や監督240人を対象に行なったアンケートでも、ほぼ全員が先攻を望む。
研究を主導した教授のイグナシオ・パラシオス・ウエルタは「ポイントを先行されることからくる精神的なプレッシャーが、後に蹴るチームのパフォーマンスに明らかに影響をおよぼしている」と分析している

PK戦 – Wikipedia

もちろん、両チーム間の実力差などもあるとおもいますが、件数の多さから実力差を考慮しても十分なくらい先行有利な状況になっていると思われます。

2018年の天皇杯1回戦ですでに5試合PKが行われました。

早速ですが、ガイナーレ鳥取の監督が興味深いコメントを発していたので紹介したいと思います。

「(ABBA方式は)初めてでしたが、失敗が連鎖してもおかしくない状況で、よく決めてくれた」

www.bbm-japan.com

これまで先行と後攻が交互に蹴り合っていたことで、キッカーにしてもキーパーにしても流れをリセットすることができていたようです。

ただ、このABBA方式では2人目のキッカーというものが非常に奥深い状況になっています。直前のキッカーの流れをダイレクトに受けてしまうため、感情的にやりにくい状況に陥っているようです。

サッカーにおけるPK戦とは普段の試合以上に運の要素が強く、勢いという目に見えないものに選手たちは苛まれます。

一方で、キッカー自身がその流れを引き寄せようとすることも考えているようで、下記のような強い心臓をもっている選手もいます。

blog.domesoccer.jp


【第98回天皇杯】ジェフ千葉vsラインメール青森 ハイライト【2回戦】

クラブスタッフの本音としては、普通のPKでさえ心臓によくないのに、こういったPKのキックは本当にドキドキします…

スポーツ界への投資ブームに思うこと〜お金と信用は大事だよ〜

企業がプロスポーツから撤退する時代から再び関わりを持つ時代がやってきたと思います

この記事においても記載はありますが、楽天やソフトバンク、DeNAがプロスポーツチームを保有する流れから時代は少し変化していることを感じます。

プロスポーツチームを保有することの意味は?

これまでは企業の広告塔としてプロスポーツチームを保有したり、スポンサーになることが多く、その流れの派生系として地域貢献またはCSRの観点でプロスポーツを支える動きがありました。

ライザップグループが湘南ベルマーレに対し10億円の投資を考えるが、ユニフォームの胸スポンサーにはならないということはインパクトがあることでした。

直接的な広告効果ではなく「保有する」という行為にJリーグクラブの価値を見出されたと言えます。

一方で今シーズンJ1に昇格したV・ファーレン長崎は昨年の春に資金面で大変な危機に陥ったところ、長崎を拠点とするジャパネットグループが買い取り、成績も右肩上がりで上昇し、チーム解体危機から誰でも想像がつかなかったであろうJ1昇格の切符を掴みました。

もともとジャパネットはスポンサーではありましたが、ジャパネットグループの傘下に入ったことと、あのテレビショッピングで有名な高田氏を社長に迎え入れたことでV・ファーレン長崎を取り巻く環境はすごい勢いで良くなっていきました。

J2のクラブはなかなかJ1に昇格できないと閉塞感のようなものがクラブを取り巻くようになり、長崎も例外ではなく、成績はあと一歩だけど集客は今ひとつな地方クラブに止まっていました。

給料遅配問題の解決からスタッフの労働環境改善といった身近なところから新スタジアム建設の話までこぎつけるなど、完全に風が吹いていると言えます。

大幅な赤字や入場者数の水増し問題など普通であればクラブもとい会社への信用は地に落ちたと言っても過言ではないと思います。

チームを支える企業のイメージ

ここで手を差し伸べたのがジャパネットグループだったことが長崎にとって良かったと思うことがあります。地元企業であり、全国レベルで知名度がありネガティブな印象がない会社ということです。

プロサッカークラブにおいてスポンサーになってもらう企業に対しクラブが信頼できるかどうか示す際に、ジャパネットグループのような会社がついているかどうかは大きいです。

ライブドアがプロ野球に参入する際に、世間は妙な胡散臭さが漂う堀江氏を毛嫌いする風潮があったと思います。12球団しかない枠の一つを得体の知れない企業に渡しても大丈夫なのかという空気感がそこにはあったように感じます。

信頼ある企業?信頼を得たい企業?

鶏と卵のような話になってしまうのですが、プロスポーツチームに関わりを持ちたいと企業がいるとなった際に、信頼がすでにある企業がつくパターン信頼は今はないがこれから信用を集めたい企業がつくパターンがあります。

ジャパネットグループはまさに前者ですが、今回のライザップグループが湘南ベルマーレと関わりを持ったのはどちらに当てはまるでしょうか。

湘南ベルマーレと関わりを持つことが明るみにでたタイミングでライザップの株価が上がったことを見ると、ライザップは湘南ベルマーレを活用して信用を得たと言えます。

株があがるということは世間からの一種の評価ですので、ある意味好意的に受け止められているということでしょう。

奇しくもベルマーレ平塚時代に企業クラブから脱却せざるを得なかったクラブがこうして企業に信用を与えるのは面白いものです。

ロシアワールドカップと放映権〜やっぱり地上波って大事〜

サッカー日本代表の話題が日々メディアで取り上げられることで、ロシアで開催されるワールドカップ(W杯)が日に日に近づいているなと感じます。

JリーグもワールドカップということでJ1は中断期間に入り、リーグ戦は一旦おやすみになっています。(J2やJ3は引き続き試合を開催していますが…)

Jリーグのクラブで働く身としても、この4年に一度の祭典はやっぱり楽しみなわけで、テレビでハイレベルなサッカーを楽しみたいなぁと思うわけです。

早速ロシアワールドカップの放送予定を調べてみた

我が家は賃貸なのですが、そこそこ年数が経っていることもありBS放送が映らないのです。

日本代表戦はきっと地上波で放送されるだろうけど、それ以外の試合はBSでしか放送されない試合もあるんじゃないかと思い、いてもたってもいられずすぐに調べました。

ロシアW杯のグループリーグ、決勝トーナメントを合わせた全64試合はNHKと民放にて生中継の予定。なお、NHKでは開幕戦や決勝戦を含む33試合を生中継し、全64試合を録画放送する。放送日程は以下の通り。(表記は全て日本時間)

(中略)

■6月19日(火)
21:00 コロンビア vs 日本(NHK/NHK BS1)

■6月24日(日)
24:00 日本 vs セネガル(日本テレビ/NHK BS1)

■6月28日(木)
23:00 日本 vs ポーランド(フジテレビ/NHK BS1)

決勝トーナメントを合わせた全64試合はNHKと民放にて生中継の予定と記載があり、一安心したのもつかの間、改めて中継一覧を見ると、NHKまたは民放(地上波)とNHK-BS(衛星放送)が全試合並列に記載されているすごさ。

ワールドカップの放映権

世界的なイベントであるW杯の放映権は、ジャパン・コンソーシアム(JC=NHKと民間放送局の共同制作機構)が広告最大手の電通を通じFIFAから放送権を購入しているようです。

ロシア大会全64試合のうち、過去ワールドカップ放送で大きな実績を持つNHKが半分の32試合を持ち、民放への割り当ては32試合になる。日本の第2戦セネガル、第3戦ポーランド、準決勝、3位決定戦などの中継カードをめぐり、各局の代表者による抽選が行われていた。

テレビ東京は「編成上の理由」として中継から撤退し、参加は日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日。中継カードを選ぶ順番を決める抽選では日本テレビが1番くじを獲得。2番はフジ、3番はテレ朝、4番はTBSだった。

という理由で、日本テレビ系列とフジテレビ系列が日本戦の放映する権利を得たと記載されています。

一方で記事を読んでいくと、

民放にとって大きな収入源となるゴールデンタイム(午後7時から同10時)、プライムタイム(午後7時から同11時)のレギュラー番組には、CMを出す大企業(提供スポンサー)がほぼついている。民放関係者は「午後9時、午後11時キックオフの試合を放送すると、通常のレギュラー番組の収入を捨てなくてはいけない。W杯の試合で新たにCMを付けるが、放送権料が高すぎてどんなに視聴率が獲得できても黒字になりそうにもない」と明かす。

しかも午後9時、午後11時開始の試合は、試合前後の1時間、合計2時間のハイライト番組をつけるルールが設けられている。関係者は「サッカーの試合だけでは流すCM量に限りがある。前後にハイライトをつけることでよりたくさんのCMを流せる。それが理由では」と推察する。逆に深夜3時開始の放送では、提供スポンサーがほぼついておらず、W杯を放送しても収入減の痛手は少ない。また高い視聴率が見込まれないため、ハイライト番組もない。優先順位の1番、2番を引いても、収支から日本戦を獲得すべきか議論になった局もあったほどだ。

と記載があり、中継対象試合の選定でかなり駆け引きがあったようで、詳しい続きは記事を見ていただければと思います。

ただ、最後のオチに、収益の話としてテレビ東京のように中継に加わらずにハイライトだけを流す戦略が賢いと記載があります。

確かに高騰し続ける放映権料を考えると地上波での放送を諦める民放が増えてもおかしくないです。

ブラジルワールドカップの時と比較してもサッカー日本代表への関心は感覚として下がってると思います。直前での監督交代によって注目を浴びるようになりましたが、放映権料に見合うだけの価値があるかと問われると微妙な状況になりつつあります。

テレビ中継もスポンサーあっての放送ですので、昨今Jリーグの試合が地上波で放送されず、DAZNというインターネット放送の有料放送へ変化するように近いうちにW杯もそのような時代が到来するかもしれません。

テレビが廃れたとよく聞きますが、サッカー業界に身を置いている感覚では地上波で放送されるかどうかはかなり影響があります。特に小学生年代は自分でDAZNを見ることができませんが、地上波であれば間違いなく見ることができます。Jリーグでどれだけ活躍しても代表に選ばれずにいれば地上波に登場する機会もないため有名にはなれません。

子供達の憧れであるためには地上波のテレビの向こうで活躍することが今も変わらず大切なのだと小学生たちと触れあうたびに感じます。

まずは今回の日本代表の選手たちが活躍し、良い成績で終え、次のワールドカップまで期待を膨らませてくれる感じになると引き続き地上波での放送に期待が持てます。

それが将来のサッカー選手を目指す子供達に焼きつくきっかけになると思います。

ブログ開設と自己紹介〜私はこうしてスポーツビジネスの世界へ〜

はじめまして。

早速ですが私の自己紹介から始めたいと思います。

私とスポーツビジネスの出会い〜私はこうしてスポーツビジネス業界へ〜

私はJリーグのとあるクラブで働く30代スタッフです。

最初はスポーツビジネスとまったく関係のない会社に勤めていたのですが、ある日立ち寄った本屋で
「僕がバナナを売って算数ドリルをつくるワケ」

を立ち読みし、そのまま購入し、スポーツビジネスの面白さを知り、色々なことを調べていくうちに、転職活動を始めていました。

それまで私が感じていたJリーグのクラブは、

スタジアムでプロサッカー選手の試合を開催して、いかにスタジアムにお客さんを集める仕事

だと思っていました。

小さい頃からサッカーをしていた身としては実際にスタジアムで観戦をしたこともあり、テレビで日本代表戦以外にもたまにJリーグの試合を見ていた自分がそう思っているのですから、関わりのない人は寝ても覚めてもサッカーばっかりしている人の集まりだと思っているかもしれません。

そんな私が本屋で平置きされているこの本の表紙を見た時、

「ん?、サッカーなのに、バナナにドリル?、何言っているんだ?」

と思い、すぐに手を取ったわけです。

著者である川崎フロンターレの天野春果氏は、プロモーションを担う部署で働いています。

Jリーグのチームは、収益をあげるためにスポンサーとなる会社と実際に試合を見に来てもらう地元の人たちをとても大切にしています。

本のタイトルに出てくるバナナは川崎フロンターレのスポンサーでもあるドール社の商品であるバナナを指し、ドリルは川崎の小学校で子供達に使ってもらう算数ドリルを指しています。

川崎フロンターレのスポンサーになって良かったとか地元に川崎フロンターレがあって良かったと思ってもらえるように天野氏が活動していった過程や結果がこの本では紹介されています。

読んでいくうちに、私に衝撃が走りました。

いままでサッカーばっかりやっている人たちの集まりに見えるJリーグのチームが、サッカーをフックに色々なビジネスにチャレンジできる面白い会社に見えてきたのです。

完全に隣の芝生は青く見える状態になった私は、次から次へと色々な図書や記事を読み漁り、ますます面白さを感じて、偶然にもJリーグのチームの求人を見つけたことで転職活動を始めていました。

ちょうどその頃から世間もスポーツビジネスの世界に光を当てるようになり、情報はありがたいことにどんどんと増えていきました。一方で転職活動でライバルも増えることになったので、なかなか転職が成功しない時期でもありました。

不採用の通知にもめげずに、スキルアップや日々の仕事を頑張ったり、時にはスポーツチームのボランティアに参加してみたりと色々な努力をしてきた甲斐もあり、気がつけばJリーグのクラブからご縁をいただき、晴れてプロサッカークラブのスタッフになることができました。ご縁をいただくまでに紆余苦節があったのですが、別の機会にでも紹介したいと思います。

私をこの世界に引き込んだ著者の天野氏には、お会いするチャンスがないまま天野氏は東京オリンピックの組織に出向となり、ますます遠い存在のままです。

このブログで書いていきたいこと

東京オリンピックの開催に向けて、日本ではますますスポーツビジネスの世界に注目が集まっており、大企業からベンチャー企業まで関わりを持つようになってきたと言えます。

スポーツビジネスの世界に身を置く側の人間としては、注目されることは非常に喜ばしいですし、新しいことが日々誕生していくことに立ち会える楽しさを享受できており、そういったことをスポーツビジネスの外にいる人に少しでも分けることができればと思います。

プロサッカーチームがバナナを売ったり算数ドリルを作るようになったのも、スポーツが少しずつ日本でも文化の一部になり、多くの人々の浸透しつつあるのだと思います。

ただバナナもドリルもまだまだ序章に過ぎないと思います。スポーツを活用して、社会がより良くなるチャンスはまだまだ広がっていると私は思っています。

このブログでは私が思ったことや出会ったことなどをベースにスポーツに関わることを書いていきたいと思います。

ここでの出会いが皆様の生活がより良いものになるのであれば、このブログの役目は果たしたと思います。

今後ともよろしくお願いします。